積み

だいぶ前から自分が感じていた事と周りの意見に齟齬を感じられることが多々あったので自分の思考を纏めるために更新。

 

ここからは6世代のお話。

シングル対戦において採用する駒一つ一つには起点作成、対面、積み、サイクルのどれかあるいは複合的にこれらの要素を持っている。

起点作成はおおよそ積みのサポートに徹するために役割として特殊で採用されない構築も多く割愛され6世代の中期~後期頃にそれまで暗黙の了解的に理解されていた対面、積み、サイクルの三竦み理論が某ブログにて確立された。

 

まずこの3つの要素について触れておきたい。

 

・対面

高い素早さや一定の耐久から素の火力による単純な殴り合いを得意としている性質。技範囲や先制技を採用し勝てる範囲を広く持てるよう意識した構成が多い。

 

・サイクル

攻撃面に関して劣るものの耐久面で秀でている性質。またその性質上回復技を持っている場合が多い。

 

・積み

火力を積み技によって伸ばし相手を一方的に叩くことを得意としている性質。対面と似通っているがサブウェポンや先制技の技枠一つを積み技として犠牲にする代わりに火力を伸ばせるようになったものという認識。

 

その性質上、サイクルは素の火力なんてもろともしないため対面に強く、対面は積む隙を与えないために積みに強く、積みは圧倒的な火力のためにサイクルに強い、サイクル→対面→積み→サイクル...という三竦みとなっているというのが先述の理論である。この理論は実践で100%通用するものではないがその性質上6世代においては間違っていないと思っている。

 

ここから7世代の話。

で、この三竦み理論が7世代でもさも通用するみたいな意見が散見される事に異を唱えたい。

まず7世代と6世代の違いについて。それはZ技の登場に他ならない。対面、サイクルに当てはめて具体的に言及しよう。

 

・Z技により対面が瞬間的高火力を生み出せることで対面要素が強いままでサイクルを崩せる可能性が出てきた。

・Z技による高火力により火力に不安があったサイクル側から積む際に一矢報いることができるようになった。(ツッパリと交換の両対応こそ理想)

 

以上の2点のために三竦みに疑問を感じる。積みがZを持ち対面を撃退する場合もあるがそれは強弱関係が逆転するにはあまりにも不確定要素が多すぎて構築段階から思案するのは難しいため割愛する。

 

また単純に積み自体が採用しにくくなっている。それは

 

・対面の役割の躍進により採用価値が上がり積みが動きにくい。

・サイクル軸に採用されるストッパー性能が高い駒を出し抜くために必要な積む回数をZ技のためになかなか設けられない。

・対面軸に採用されるミミッキュによる盤面リセット。

 

の3点が挙げられる。

 

要はZ技による強弱関係の逆転、対面がZを持つことでの積みの役割としての縮小化。

以上のことが7世代において三竦みが崩壊しているという理由だ。

 

積みの相対的弱体化に言及したが、しかしながら7世代で積み要素は死滅したわけではなく対面の匂いが強かった6世代とくらべてサイクルの一つの打点を高めた勝ち筋としてや火力と耐久どちらも伸ばす積み技を用いた詰め筋としての採用として7世代でも生きている。

 

余談

 

対面がインスタント高火力によってサイクルに勝てる可能性があると示したが実際のところZ技は1試合に1回しか使えないために一度透かしてしまえば対面側は崩しのソースが枯れてサイクル側が有利となってしまう。そのためにサイクル側がじゃんけんで一度でも勝てば有利がつく。なので積み技をある程度牽制できる対面と対面Zを透かせるサイクルの2面性が強く出ている構築が今は結果を出している。

対面に強く寄せた構築が構築段階から勝ち筋を明らかにするにはある程度誘い殺し的な要素が必要なのだがそのような発想やアイディアを構築として安定した形にするのは難しく、安定した勝利を求めプレイヤー全体がサイクルに寄っているのではないだろうか。

そのなかで催眠ゲンガーは面白いアンチテーゼだったのだがS4より解禁された主要なメガシンカに対してことごとく弱くサイクルは更に追い風を受けている。

最後にサイクル全盛とも言えるなかでどのようなアイディアが環境を出し抜けるのかが私個人としては楽しみではある。